虐めについて長女に話したこと

長女のクラスで、虐めが原因で体調不良になり、不登校になっている女の子がいます。

 

私立は公立に比べて虐めが少ないと思われがちですが、どこに行っても虐めはあります。

 

虐めている子達は、LINEグループを作り、「あいつ○ね」など、日常的にやり取りし、無視やわざと聞こえる声で悪口を言ったりしていたそうです。

一対一では言えないことも、集団だと気が大きくなり、どんどんエスカレートしてしまったのだと思います。

 

 

私が高校生の時、クラスで虐めがありました。

彼女は急にグループから無視されるようになり、修学旅行の班決めの時も1人だけ班が決まらずにいたので「一緒になろう」と声をかけました。

私の友人達は渋ったけれど、説得しました。

 

すると中心となって虐めていた子が「あの子と仲良くしない方がいいよ」的なこと言ってきました。

理由は聞いたんだけど、もう忘れてしまったので、多分たいしたことではなかったんだと思います。

私のグループに入れたことは、その子達からしたら良く思っていなかったはずですが、私は気が弱い方ではなかったので、特に文句を言われたりはありませんでした。

 

その後も無視は続きました。

 

担任の先生も気付いていながら、何の対策も講じませんでした。

 

ある日その子の体操着が無くなり、それが焼却炉から出てきて、問題になりました。

犯人の目星はついていたけれど、証拠はなく、誰も何も言えませんでした。

 

それから彼女は度々学校を休み、

学校に来た日は、お昼を一緒に食べたりしていたけれど、結局私のグループでも馴染むことはできず。

最終的には出席日数が足らず退学することになりました。

 

学校を辞める日に「みんなと一緒に卒業したかった」と言った彼女の泣き顔を今でも憶えています。

 

卒業してからしばらくして、高校の時に使っていた英和辞典を久しぶりに開くと、メモがひらりと落ちてきました。

そこには「助けて、私はあなたを尊敬しています」とだけ書いてありました。

名前は書いてなかったけれど、まるっこい筆跡を見て彼女の字だと思いました。

それがいつ書かれたものなのかはわかりませんが、なんだかすごく申し訳ない気持ちになりました。

 

当時の私はシリアスなことはできるだけ避けていて「放課後は何をして遊ぶか?」ばかりを考え「その場が楽しければいい」とかなり適当に生きていました。

 

そんな私くらいしか頼る人がいなかった彼女はどんなに辛かっただろう。

 

卒業から1年半後くらいに彼女と街で偶然に会った時に「いま定時制の高校に通っている」と教えてくれました。

 

来週、長女の中学の保護者会で、虐めについて学校から説明があります。

 

長女は虐めに直接は関与していませんが、我が子が虐められたり、逆に加害者になったりする可能性もあるわけで、他人事とは思えません。

 

親や先生が話し合ったところで、中学生にもなると「ごめんね」で仲直りというわけにもいきません。

 

虐めていた子の1人は先生に注意された後も、「嫌いなんだから態度に出ちゃうのは仕方ない」と長女に言っていたそうです。

 

好き嫌いはコントロールできない。

 

パニック障害の私が自分の中から湧き出る恐怖をコントロールできないのと同じで、思いは全て勝手に湧いてくるもので、自分でコントロールできない。

 

でもだからといって、人を傷付けていいわけがない。

 

とても残念なことだけど、それが生理的なものであっても、後天的なものであっても、「嫌い」から虐めに発展させてしまう子は一定数いる。

 

そして虐められた子は心がズタズタにされる。

 

LINEは既に消されているようですが、クラスの多くが見れる環境にあり、知っていたことです。

長女も虐めを認識していたのに、黙っていたことを注意すると、先生や親に言ったのがばれれば、「自分がされると思った」と言っていました。

今は匿名でも通報できるサイトがあることを教え、「虐めを知っていて何もしないのは、自分も容認してることになるよ。誰かが溺れそうになっていたら、助けを呼んだり、ロープを投げたりするよね?それと同じだよ」と説明しました。