飼い猫が教祖を威嚇した話

先日、父の誕生日でした。

 

今年の父の日に熱帯魚と水槽セットをプレゼントしたのですが、水温が低くなりすぎて、20匹程死んでしまったとのことだったので、別の種類の熱帯魚と餌1年分をプレゼントしました。

 

父は誕生日や父の日に何もしないと、拗ねるので毎回忘れずになにかしらあげています。

 

もうだいぶ前の話ですが、私が二人目を妊娠中、切迫早産気味で自宅で安静にしていた時に父から電話がかかってきて、

「この間の父の日、ケーキくらい買ってきてくれると思ってた」と言われたので、

「それどころじゃないよ!逆にこっちが買い物を頼みたいくらいだよ!!」と言い返しました。

 

ちなみに父は私の誕生日を覚えてません。

 

そんな父ですが、働き者で休むのは月に2、3回、仕事(だけ)は真面目で、懸命に働き家族を養ってくれたことには感謝しています。

親として当たり前。と思われる方もいるかもしれません。

でも、それが当たり前じゃない子どもが世の中にはたくさんいることに気付いてからは、父に感謝できるようになりました。

 

父は戦争中に生まれ、10歳の時に父親を病気で亡くしています。

 

戦後、母子家庭は特に珍しいことではなかったのでしょうが、とても貧乏だったそうです。そんな中、父の姉が人の道を外れてしまい、家にある僅かなお金も持っていってしまうなど、悲惨な状態だったそうです。

 

現金を得る為に、小学生の頃から近所の農家の畑の収穫や牛を引き田んぼ耕やし、鶏の首を切り捌いたり、スズメバチの巣を取って売ったりしていたそうです。

 

その中で一番辛かった仕事は、

「病気の猫が何度捨てても帰ってきてしまうので、殺して欲しい」と頼まれたこと。

 

子どもにそんなことを頼むなんて・・・

 

だからなのかはわかりませんが、私がのら猫を拾ってきても、父はあまり怒りませんでした。

母も、私が猫を拾ってくる度に、困っていましたが、いつもすぐに動物病院に連れていってくれました。

 

病気の子や大怪我をしている子(多分車に引かれた)、足に紐がきつく絡まり、腐って蛆が湧いている子(後ろ足を一本切断することになりましたが、元気に16歳まで生きました)もいました。

 

治療費は相当かかったと思います。

 

当時、既に宗教にのめり込んでいた母は、腰から下が麻痺してしまった猫を、「拝んでもらえば治る」と教祖のもとへ連れていきました。

 

私も猫が心配なので一緒に行ったのですが、

教祖は、「シャーッ」と何度も猫に威嚇されていました(笑)。

子供心に、なんとなく気まずい時間でした。

 

その後、遠隔で何度かやってもらっていましたが、もちろん猫は治りませんでした。

 

教祖は「猫が心を開いてくれないとできない」と言い訳していましたが、毎回お金だけはしっかり取られました。

 

その教祖は、

「癌やエイズも治せる」

「生まれながらの足の奇形で歩けない子が治った」

「(信者達の)行いが悪かったせいで、神に帰ってくるように言われ、3日間死んでいたけれど、生き返った」等、

ありえないことばかり言っていました。

 

普通の人なら信じない内容のことを、母は何の疑いもなく真剣に私に話してきました。

 

私が中学生になると、母が普通でないことはわかっていたので「そんなことあるわけないでしょ。お爺ちゃんの癌も結局治せなかったじゃん」と言い、何度も説得しましたが、聞く耳を持たず。

 

それから母が脳出血になるまで、その洗脳は解けることなく続きました。

 

全ての宗教が悪いものとは言いませんし、信仰によって救われた人もたくさんいると思います。

私の友人や知り合いで、宗教にに入信している人達は皆いい人ばかりです。

会うたびに○○新聞を渡され、読むように言われたりしますが・・・

 

一旦洗脳されてしまうと、どんなにおかしな状況でも自分では気付けない、自力ではなかなか抜け出せないのだと思います。

自分で考えることをしなくなり、思考が停止して正常な判断ができなくなる。

純粋で素直な人程、のめり込んでしまう気がします。