親の成年後見人になって思うこと

7年程前、母(認知症)の遺産分割調停をきっかけに、成年後見人となりました。

 

経緯はこちら↓

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成年後見制度は、精神上の障がい(認知症や知的障がい)で、判断能力が不十分な方の身上保護や財産を守る制度です。

 

私は必要に迫られ母の成年後見人となりましたが、デメリットが結構あります。

 

1年に1度、家庭裁判所に事務報告書を提出しなければならない。

最近は慣れてきましたが、結構面倒です。

 

成年後見人を自由に選べません。

希望すればなれるわけではなく、裁判所に自分の経歴や家族構成、財産状況などを書面で提出、面接もあります。

 

最終的に決めるのは裁判所になります。

成年被後見人の資産が多額、不動産を持っていて賃貸収入や有価証券がある等、財産管理が複雑になる場合や家族間で意見の対立があると、裁判所は専門職(弁護士や司法書士)を選任することが多いです。

親族が成年後見人になれた場合でも、成年後見監督人が選任されることもあります。

毎月報酬を払うことになり、ランニングコストがかかります。

✳️親族でも裁判所が認めれば報酬を貰うことができます。

 

財産を動かすことができないので、運用や生前贈与などの相続税対策はできません。

 

支出は本人の分のみとなり、家族の分は支出できません。

例えば、今まで夫(被後見人)の年金(収入)で生活していた場合、妻の生活費は支出できなくなります。

 

私は希望通り、母の成年後見人になれましたが、配偶者や親の財産を他人に管理されることに抵抗を感じる人は多いと思います。

 

一度申請すると、原則、被後見人が死ぬまで取り消すことはできません。

 

必要な人もいる制度ではありますが、あまり理解しないまま、成年後見の申し立てをすると、後悔することになるかもしれません。